株式会社コーセー
「デザイン思考テスト」の導入で、主体性と広い視野を持つ人材の採用に成功 株式会社コーセー 人事部 グローバルHR推進室 小林 充枝様
株式会社コーセーでは、従来の枠を超えた新たな価値が創造できる人材を採用するため、以前から指針の一つとしていた「クリエイティブ力」の高い人材の採用指標をよりクリアにするべく、2019年から新卒採用に「デザイン思考テスト」を導入。本取組みをリードされた、人事部 グローバルHR推進室 小林 充枝様にお話を伺いました。
プロジェクト概要Outline
- 実施内容
- 化粧品業界の今後を牽引するために必要な一要素である「クリエイティブ力」を的確に評価するため、インターンシップ・本選考の両過程に「デザイン思考テスト」を導入
- 実施期間
- 2019年9月〜(3年目)
実施背景Background
これからの化粧品業界に求められる新しい価値を生み出す素質である「クリエイティブ力」の指標を、定量的な結果と定性的な評価を掛け合わせより納得感を高めることを目指して「デザイン思考テスト」を導入
実施結果Action
・デザイン思考テストを導入したことで「クリエイティブ力」を定量・定性両面で可視化 ・次世代に求められる多彩な能力を持つ人材の母集団との接点が強化
従来の定性的な評価に「デザイン思考テスト」による定量的な評価を加味することで、より納得感高く「クリエイティブ力」を測ることに成功
ー今回「デザイン思考テスト」を導入された背景を教えてください。
時代の変化にいち早く対応する柔軟さが求められる化粧品業界だからこそ、コーセーでは周囲の環境の変化を先読みし、お客様のニーズを捉える力と、それに対してどう応えるかを考えられる人材を求めています。さらに今後は「メイク=女性のもの」などの固定概念に捉われず、枠組み(人種やジェンダー)に捉われない「美」を、世の中に提供していく必要があります。そのため、採用に関しても新しい価値を生み出せる「クリエイティブ力」のある人材かどうかは指針の一つにしていました。しかし、「クリエイティブ力」は可視化が難しく、面接官の定性的な判断に委ねる面もありました。そのような中、同能力を定量的に可視化することで、求めている人材をより的確に発掘できる手法があると知り、「デザイン思考テスト」の導入に至りました。
ー具体的にどのように実施されたのですか?
インターンシップ、本選考どちらもエントリーシート提出後のタイミングで「デザイン思考テスト」を受けていただきました。特にインターンシップ選考について、去年初めて実施した新規事業立案コースでは、まさに、『新規創造性』が必要な内容でしたので、デザイン思考テストの導入をさせていただきました。
ー実施した結果はいかがでしたか?
数値化された「デザイン思考テスト」の定量的なスコアと、エントリーシートや動画面接を通じた定性的な評価をすり合わせることで、採用指針の一つである「クリエイティブ力」の基準がこれまで以上に納得感のあるものになりました。それだけでなく、「クリエイティブ力」以外の能力も共通して高い学生が多かったことも驚きでした。
「デザイン思考テスト」を活用したことで「クリエイティブ力」が高いだけでなく、共通して『主体性』のある学生とのタッチポイントが増えた
ーデザイン思考テストのスコアが良かった学生の特徴はありましたか?
デザイン思考テストのスコアが高い方は、クリエイティブ力があるだけでなく、活発な学生が多いという印象を受けました。インターンシップに対して積極的な姿勢で取り組み、主体性や発信力など、ビジネスで求められる能力が備わっている人が多かった印象です。ディスカッションにおいても活発に発言し、主体的にチームのリーダーとなる学生が大勢で、デザイン思考力と相関性があるのかと思うほどでした。就職活動においても初動が早く、他社のインターンシップにも多く参加している行動力のある学生が多いと感じました。
ーインターンシップ全体を通じて印象に残ったことはありましたか?
一般的なディスカッションでは、発言する学生がある程度限られてしまう傾向にあると思います。さらにオンライン上の会話であれば、やりづらさを感じる学生も多いはずです。しかしスコアの高い学生は、自ら発言して議論を盛り上げつつも協調性があったことは印象的でした。
ー今後のデザイン思考テストに期待する点があれば教えてください。
コーセーでは「デザイン思考テスト」を導入して3年目ですが、新入社員だけでなく全社的にクリエイティブ力やデザイン思考の考え方が必要だと思っています。「デザイン思考テスト」を長期的に利用することで、コーセー全体がクリエイティブな企業であり続けるための組織づくりにも、有意義に活用していきたいです。
ー今後採用を通じて、御社が目指す方向性教えてください。
コーセーが大切にしている理念に共感してくれる人材を採用することで、何年先もお客様、そして地球に寄り添える企業でありたいと思っています。コーセーでは、1991年以来「美しい知恵 人へ、地球へ。」をコーポレートメッセージとして発信しています。これは今の時代にもつながる考え方です。むしろ、多様性を認め合う時代だからこそ、このメッセージを実現させていかなくてはなりません。実際に、ここ数年でジェンダーフリーやメンズメイクなど、これまでは聞かなかった視点や切り口で「美」を捉えている方が増えました。固定概念に捉われずに広い視野で物事を考えるということもクリエイティブ力の要素の一つだと思うので、広い視野で多様な価値観を受け入れられる方にコーセーで活躍していただきたいと思っています。そして、これまでに無かった新しいものを生み出せる会社であり続けたいです。