事例紹介導入企業から成功の声

三菱倉庫株式会社

「デザイン思考テスト」導入4年目へーDX・イノベーション思考の組織づくりに採用からの着手で手ごたえー (写真右から)三菱倉庫株式会社 人事部 人事課 江見 麻理子様、執行役員 人事部長 栗俣 力様(取材当時)、人事部 人事課長 田中 友博様

同社は1887年創業。130年以上続く、倉庫業界のリーディングカンパニー。現在は、包括的でグローバルな物流サービスと不動産の二軸で事業を展開しています。社員が個性と能力を最大限発揮できる組織風土を形成し、働きがい向上につなげるため、ビジネス環境の変化にも柔軟に対応できる、イノベーティブな人材の発掘・育成が同社の課題に。 その第一歩として、新卒採用において「デザイン思考テスト」を導入。試行錯誤しながらも、3年間継続実施したことで得られた成果や今後の展望等について、執行役員 人事部長の栗俣様(取材当時)、人事部人事課長の田中様に幅広く伺いました。

プロジェクト概要Outline
実施内容
【1.新卒採用の本面接前に「デザイン思考テスト」を実施(複数回、受検可能)】【2.入社3年目社員研修として「価値創造ワークショップ」をテスト実施】【3.社内DX人材育成の推進者が「デザトレ®︎」を受講】
実施期間
【1.2021年3月〜現在 / 新卒採用期間】【2.2022年11月 / 入社3年目研修にて実施】 【3.2023年5月 / 集合研修に3名参加】
実施背景Background

・チームワーク重視の業態であることから、「同質性」の高い人材の採用が主流に。イノベーティブな発想をもち、組織の変革や新規事業を担う人材の発掘・育成を求めていた ・社員の育成や既存の組織体制の変革には時間を要することから、新卒採用での活用に着目。創造力の高い人材発掘を目標に実施することに

実施結果Action

・導入から2年間はデータ検証を主目的に自社におけるデザイン思考テストのスコア活用が定着 ・従来型の採用方法に、「デザイン思考テスト」をプラスしたハイブリッド型の選考基準により社内の同意もスムーズに確立 ・デザイン思考テスト導入前に入社した若手社員研修に「価値創造ワークショップ」を試験的に実施。創造的思考法の体験だけではなく、同社が重んじているチームワーク醸成の一助となった

新卒採用に”新しい物差し“をプラスすることで、 未来を切り拓く素地を見極め、惹きつける材料へ

–デザイン思考テストに関心を持たれた背景について、教えてください。

栗俣:三菱倉庫は130年という長い歴史があるため、人材開発領域においても、長らく続いてきた選考基準や選考手法が確立していました。しかしながら、私が人事部長として着任した当時、「DX人材」「DX経営」「イノベーティブなアプローチ」といったものが、認知・検討されるようになり、今後、ビジネス環境の大きな変化に対応できる、創造力の高い人材を発掘・育成することが当社の課題となりました。

とはいえ、同じようなバックグラウンドを持ち、同じような基準で採用され、同じように育成されることで目線や考え方も含めて同質性が高くなりがちです。倉庫業というのは、チームワークが重要視される仕事のため、社員の同質性の高さというのはプラスに作用しますが、新しいビジネスやDX経営を担うイノベーティブな人材を社内で新たに発掘し、育成するのは、かなり時間がかかってしまいます。

そこで、まずは新卒採用で創造力の高い、新しいタイプの人材を発掘することになり、「デザイン思考テスト」に着目しました。

–デザイン思考テストの導入はスムーズでしたか?

栗俣:従来の選考から、デザイン思考テストに完全に切り替えたわけではなく、あくまで従来の採用方法に新しい施策をプラスアルファして新しい選考スタイルを作りました。そのため、これまでと同様に従来から弊社が求めるスキルを持つ優秀な学生を採用でき、また、新しい視点での採用も実現するため、社内の同意も得やすく、導入はスムーズに決まりました。

–3年間、継続実施されたことで、新卒採用にどのような変化がありましたか?

栗俣:初年度から、選考における新たな指標の裏付けとして大きく役立っていましたが、最初の2年間はデザイン思考テストの実施時期や、面接での活用方法など、試行錯誤もありました。

今年は3年目に入り、従来の採用基準とは別に、デザイン思考テストでスコアの高い学生に対して、ユニークな考え方や独創的な発想を引き出す質問を重点的に投げかけるといった、新たなアプローチを試みました。

入社は来春なので分析と検証はこれからですが、デザイン思考テストという「新しい指標」を導入したことで、新卒採用に多様性が生まれ、これまで採用できていなかった創造力の高い人材も発掘できるようになったという手ごたえを感じています。

–今後の課題、活用検討について教えてください

栗俣:入社時点で創造力の高い素地を持つ、新しいタイプの社員をどのように育成していくのかが今後の課題のひとつになると思います。そういった人材が、社内に少数しかいない環境では、どうしても同じ色に染まっていく可能性があります。

そのため、同時多発的にイノベーティブな機運が化学反応のように生まれてくるようバランスを考慮した戦略的な配置の検討が必要だと考えています。 また、現在は新卒採用でのみデザイン思考テストを導入していますが、今後はキャリア採用での導入も検討しています。

田中:昨年、入社3年目の集合研修で、創造的思考法の一端に触れてもらいたいと考え、「価値創造ワークショップ」を実施しました。その結果「普段の仕事とは、まったく異なる目線で物事を考えるきっかけとなった」といったポジティブな反応が寄せられました。

ワークショップも大変な盛り上がりで、結果的には当社が大切にしているチームワーク醸成にも役立ち、モチベーションの向上に繋がりました。

栗俣:今後は若手社員を対象とした研修だけでなく、管理職対象の研修でも導入を検討します。

蓄積したスコアデータの分析・検証の協働が鍵に

–「デザイン思考テスト」に関するご要望はありますか?

栗俣:たとえば、ハイスコアの学生への回答事案のようなものが見られたら、非常に参考になるのではないかと思います。

さらに、採用人材の分析や検証がこれからの課題となりますが、複数年にわたって蓄積したスコアを、豊富なデータベースを持つVISITSさんと協働できれば頼もしいです。

今後はスコアとあわせて「創造タイプ」「評価タイプ」といったタイプ別診断結果も活用できると聞いていますので、楽しみにしています。

「未来を“妄想”できる」人材が”伝統×DX”のハイブリッドを実現

–今後の未来について、お聞かせください。

栗俣:当社は長い歴史を持つ会社です。その中で守るべきものと、時代とともに変えていかなくてはならない部分がありますが、今後は変化が占める比重が大きくなっていくと感じています。

そのため特に若手の社員には「未来を“妄想”できる人」であってほしいと思うのです。「予測」では正解を求めてしまうのであえて「妄想」です。

近い未来でも、遠い未来でも構いません。「こんな世の中が来るんじゃないか? 時代が求める事は何か、その中で自分たちにはこんな事ができるのではないか。」と“妄想”しながら会社をつくっていく人、それこそが次世代リーダーに求められる要件のひとつになるのではないかと思うのです。

その上で、これまで培ってきた倉庫業の匠のスキルやノウハウを守りつつ、新しい思考方法でDX化を進めていくことのできるハイブリッドな人材の活躍が求められていきます。

多様性を生み出す人材を採用、育成し、それによって組織がインスパイアされることを大きく期待しています。

【新卒事例集】優秀な人材を見極めるための新しい採用手法

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