SOMPOホールディングス株式会社
DX戦略強化を加速する人材育成を~デジタル人材選抜指標に”定量的”な創造性評価を導入~SOMPOホールディングス株式会社 人事部 須藤翔太様
以前よりデジタル戦略に力を入れていたSOMPOホールディングスでは、2020年より、デジタル人材育成における選抜プログラムを実施することが決まりました。対象人材の選抜において、通常の面接や書類選考に加え、創造力を定量評価することができるデザイン思考テストを1つの指標として導入。本取組をリードしたSOMPOホールディングス株式会社人事部須藤様にお話を伺いました。
プロジェクト概要Outline
- 実施内容
- 社内のデジタル人材育成における選抜プログラム参加基準の指標のひとつとして約60名の候補者を対象に「デザイン思考テスト」を実施
- 実施期間
- 2019年11月
実施背景Background
デジタル人材を対象とした当グループ初となる選抜プログラムを実施するにあたり、通常の選考手法ではなく、これからの時代に活躍する人材を裏付ける要素を検討していたところ、アルゴリズムを用いて創造性を可視化出来る点に可能性を感じ選考デザイン思考テストを導入
実施結果Action
・スコア1位・2位の受検者のアイデアは、研修講師からの評価も、参加者内での相互評価もトップ評価 ・従来の選抜プロセスでは見つけられなかったイノベーターの見極めに一定の効果発揮
デザイン思考テストのスコア上位者は、パフォーマンスや、講師の事前評価が高く、本質を見抜く上で非常に有効なツール
ーなぜ「デザイン思考テスト」を導入しようと思ったのですか?
当社には、以前よりDXに特化したデジタル戦略部がありましたが、昨今のDX加速化の流れを受け、同部署のみでなく、人事部においてもデジタル人材の育成を積極的に実施していく必要があるとの考えから当該プログラムを実施いたしました。グローバルベースでの選抜型人材育成研修については以前より実施しておりましたが、今回は初のデジタル人材を対象とした研修の開催であったため、これからの時代に活躍する人材として、どんな人が相応しいか、どう選抜すべきか検討をしておりました。その時にちょうどデザイン思考テストの話を伺い、「課題を発見し解決策を見つけることが出来る」力を測ることが出来るデザイン思考テストがこの指標として適しているのでは、と考え、導入を決定しました。
ー選抜はどのように行われたのでしょう?
全く初めての取組だったため、エントリーシート、面接、創造性評価(オンラインで実施するデザイン思考テストのスコア)の3つの評価軸から選考を行い、最終的に20名を選抜しました。選考段階では、60名程度がデザイン思考テストを受検しました。検証の意味も含め採用枠を3つに分けて異なる選抜基準を設定しました。つまり、創造性評価(テストの点数)の高評価者で全体の1/3、エントリーシートと面接評価で1/3、3軸全ての平均評価で残り1/3を選びました。
ー実施した結果はいかがでしたか?
デザイン思考テスト上位者の、いわゆるクリエイティビティに関連するパフォーマンスは非常に優れており、驚きました。同テストの総合スコアトップの受講者(※)は、選考のエントリーシートで事務局が準備したフォーマットを度外視した上で自己アピール資料をまとめていました。その内容が選考当初から非常に印象的でした。同テストの創造力スコアトップの受講者は、研修プログラムを担当する外部講師が一通り受講生を面談した後に「この人がピカイチだね」と評価した人物でした。コミュニケーション量にもよるとは思いますが、30分など限られた時間の面接と比較すると本質を見抜く上でデザイン思考テストは非常に有効だと思いました。
※デザイン思考テストは創造力スコアと評価力スコアの合計を総合スコアとしている。
ー今後期待することがあれば教えて下さい。
今回は創造性という点に着目しましたが、個人の特定の資質に加え、チームとしてパフォーマンスを最大化できるよう、リーダーシップ等、他の何らかの指標を組み合わせて実施することが重要だと思いました。また、そういった重要指標を、何らかの方法で併せて数値化する事が出来るとより有効に活用できるのではないかと思います。現在自社内でハイポテンシャル人材の定義を進めていますが、自社の現時点での活躍人材の特長を教師データとしているため、これからの時代に求められる人材に必要な指標を何らかの形で組み込めることにも期待しています。ー本取組全体を通じてコメントをお願いします。SOMPOホールディングスでは、「安心・安全・健康のテーマパーク」へのトランスフォーメーションを目指し、アクシデントがあった時にマイナスをゼロにするだけではなく、日々お客さまの生活にプラスアルファの価値を生み出せる存在であるべく、デジタルを通じて様々な変革に取組んでいます。このトランスフォーメーションを加速させるためには、一部の先進的な部署だけではなく、全社員が一定以上の水準でデジタルを捉え活用ができるように、時代に合わせた優秀な人材定義し、そして長期的な育成・支援を通じて、人事としてビジネスの加速化を支援していきたいと考えています。