アズビル株式会社
「創造力の可視化」が大きなメリット - 未来を担うイノベーション人材の獲得に向けて アズビル株式会社 人事部雇用開発グループ 渡邊 まなみ様、竹村 麻里様、久保田 彩夏様
デザイン思考テストを採用プロセスに導入し、スコア上位者をデザイン思考ワークショップへ誘引。初年度から20名が参加し、うち7名が入社へ。(翌年以降も継続実施中) アズビル株式会社では、企業理念である「人を中心としたオートメーション」を担う新たな”イノベーション人材”の獲得を目指して「デザイン思考テスト」の導入を決定。人事部雇用開発グループの渡邊様、竹村様、久保田様に、本テストの導入理由や結果を伺いました。
プロジェクト概要Outline
- 実施内容
- イノベーション人材のインターンシップ・採用選考プロセスとして 「デザイン思考テスト」および「デザイン思考ワークショップ」を開催
- 実施期間
- 1年目(2021年2月〜6月):テスト+ワークショップ実施 、2年目(2021年11月〜2022年1月):テスト+ワークショップ実施
実施背景Background
イノベーティブな人材採用がテーマであったほか、従来のテストでは定量的に測りかねた 「創造力の可視化」に着目。前例のないことに対し、対応力の高い人材確保に チャレンジするため導入を決定。
実施結果Action
・2年連続導入。デザイン思考テストの連動プログラムとして、スコア上位者をデザイン思考 ワークショップへ誘引。ワークショップに参加した20名の内、7名が入社。 ・スコアと採用人材の相関性を実感、24卒以降も継続実施。
「従来の選考では測れなかった魅力部分に焦点を」ロジカルさを武器にする企業が考えるイノベーション人材の重要性とは
–導入時の課題と、目指す獲得人材像を教えてください。
現在の採用状況において、これまで実施してきた適性検査・SPIテストの結果を見る限り、採用する人材に一定の偏りがありました。また、採用活動に関わるメンバーでディスカッションし、VUCAの時代にオートメーション技術で世界中の様々な課題を解決していくことができる人材獲得により力を入れていくことを考えました。
そして、企業理念である「人を中心としたオートメーション」をもとに、様々なものを結びつけながら価値を創造できる能力をもった方を「イノベーション人材」と定義し、そういった人材を積極採用する打ち手として「デザイン思考テスト」(※以下本テスト)の導入を決定しました。
–本テストを導入する上で、どのようなことが障壁になっていましたか。
新しいツールを取り入れること自体は、これまでもチャレンジしてきましたし、社風としても新しいことにトライすることに対しては積極的です。ただ、本テストの良し悪しは判断しかねたため、導入時にまず人事部をはじめとした複数部門内でトライアル実施し、その結果も踏まえて経営へ提案する流れとしました。
「何が判断できるか」「アセスメントにおいてどのような示唆が得られるのか」など様々な意見がありましたが、中期経営計画を達成するためには、「人材の多様化」を推し進める必要があり、多様な角度で評価していくことの重要性とチャレンジが必要との結論に至り、導入を決定しました。
本テストの結果のみを見るのではなく、多様な評価軸の1つの判断材料として実施を続けながら、長い目で見ていくことを考えています。
–導入後、結果にどのような傾向を感じましたか。
本テストを通じて採用したメンバーは、ワークショップ参加時より積極的に豊富なアイディアをお互いに出しあいながら相乗的な成果を導くことができ、主体的な参加姿勢から光るリーダーシップも感じられた点など質の違いがありました。
本テストは「面接では表面上測れない部分に焦点を当て、本人も気が付いていない更なる魅力を引き出せているのではないか」という気付きがあり、驚きました。今後、採用したメンバーが現場に配置された後にどのように輝いていくのか、注目しています。
–実施を通して、感想はいかがでしたか。
アズビルの社員は理系が中心です。ロジカルシンキングが得意であり、思考も技術も一つ一つ詰み上げる傾向にあります。そうした側面は、従来のテストで評価することができますが、一方で”創造力”を評価する方法は未知でした。
目標としている「新オートメーション事業」の展開には、計測と制御の技術をさらに強化しながら、どのような領域に新規適用していくか創造性を持ってチャレンジしていくことが重要なため、テスト結果に「他のテストで測れない部分」があることの納得感を得られたことが大きかったです。
ロジカルシンキングといった能力も変わらず重視しますが、一方で今後はスコアを加点要素としつつ、創造力やクリエイティビティを強みに持つ人材の獲得も更に強化を目指して、試行錯誤していきたいと思っています。