未来を牽引する創造性人材の育成に向けた、問題解決力向上プログラム

–導入時の課題について教えてください

弊社は商社とメーカーの強みを持つ「複合商社」です。創業90 年を越えるベンチャー企業として挑戦し続け、多岐にわたる事業を展開しています。

マーケットニーズが多様化し急速にビジネスモデルが変化するいま、弊社の持つ既存事業を掛け合わせて新たなビジネスを創造する「デザイン思考力」の必要性を感じていました。

そんな時に大学と連携しデザイン思考人材を育成するといった、VISITS Technologies社の取り組みやコンサルティングファームで導入している目的を知り、「これは三谷産業グループの社員全員に求められている能力だ」と感じました。

弊社は全社員に向けて階層別や目的別に多彩な研修プログラムを用意していますが、今回は3年目の階層別研修で導入することを決定しました。

–具体的に、どのような形で実施されましたか？

入社3年目の社員に向けた階層別研修「テーマ：問題解決力を身につける」のプログラムのひとつとして、デザイン思考ワークショップ、デザイン思考テストを取り入れました。

受講者には大前提として、デザイン思考は特別な人が持っているものでなく「伸ばせる能力」であること、デザイン思考テストは現時点での能力を知るきっかけであることを伝えました。

既存業務の影響を受けることなく集中してテストを受けられるように、事前課題でなく研修当日にデザイン思考テストを受験させました。受験後にワークショップを通して、デザイン思考の有用性と今後の伸ばし方を学びました。

また、その場で学んで終わるのではなく、習慣化し行動変容に繋がるプログラムとして提供したかったため、VISITS Technologies 松本代表の著書「破壊的イノベーションの起こし方」をテキストとして活用しました。

デザイン思考を習慣化し、行動変容に繋げるために

–実施した結果はいかがでしたか？

デザイン思考テストのフィードバックを踏まえて、それぞれが自分の得意不得意を知り、今後、どこをどのように伸ばしていくのかを考えるきっかけとなったことで、研修後の思考や行動に変化がみられました。

また、3年目の階層別研修では、ロジカルシンキングや物事を伝える能力についても学ぶため、能力を測るだけでなく能力を伸ばすためのスキームがあることは、研修コンテンツとしても高い相乗効果を感じました。

加えて、コロナ禍で入社した社員たちは、グループ会社を含めた同期全員が揃う対面形式の集合研修ということもあり、ワークショップで活発に意見を出し合うこともできたので、研修自体の満足度も向上しました。

顧客ニーズの変化とともに、変革し続ける組織へ

ー今後についてのお考えを教えてください

弊社の求める人材像は「相手が理解できる言葉で自分自身の考えを説明できること」です。シンプルですがとても重要な事です。

顧客のニーズが時代とともに変化していく中で、常に新しい事をキャッチアップし続ける必要があるため、弊社は学ぶ機会を多く提供し続けていきます。

スコアと発想力が豊かな社員の相関性が確認できた事も大きな成果でしたので、今後はデザイン思考力の育成に注力していくことはもちろん、経営幹部候補者を対象とした研修プログラムへの展開も検討していきたいと考えています。