事例紹介導入企業から成功の声

田園調布雙葉学園

2021年度から情報科の授業で導入 ー教育現場における「デザイン思考」の最先端の学習方法とはー 田園調布雙葉学園 情報科 小林 潤一郎先生

東京都世田谷区に所在する学校法人・田園調布雙葉学園では、高等学校の「情報科」においてデザイン思考テストやVISITS forms、さらにはVISITS Technologies代表・松本の著書『破壊的イノベーションの起こし方』を活用した授業を展開。一連の授業を実施した情報科の小林先生に、生徒たちへの教育方針とともに導入のねらいを伺いました。

プロジェクト概要Outline
実施内容
【2021年度3学期 高校2年生の授業「情報と社会」にて、ワークショップ型授業を実施(3クラス約100名)】【2022年度1学期 高校3年生の授業「情報社会学」にて、デザイン思考テストを実施(約20名)】 【2022年度1学期 高校3年生の授業「情報社会学」にて、創造性をテーマにVISITS formsを使った授業を実施(約20名)】
実施期間
2021年度3学期〜2022年度1学期で3度実施
実施背景Background

現代の情報社会において「発想力」や「自分で考える力」を学ぶため

実施結果Action

・アイデア創出ワークショップやデザイン思考テストを通して楽しみながらアイデアの生み出し方を学ぶことができた ・VISITS formsを用いた授業の中で他の生徒の意見を匿名で評価することで多様な意見や視点に触れることができた

根本的な願いは「自ら考え、表現し、行動できる」人材に育つこと 次世代を担う生徒たちが「自ら考える発想力」を身につけるために

−先生と弊社の出会いは松本の著書がはじまりでしたが、『破壊的イノベーションの起こし方』を手に取られたきっかけを教えてください

大学卒業後のファーストキャリアはシステムコンサルタントを選択したのですが、当初から30歳をめどに教職へ就くつもりでした。私自身がアイデアコンテストなどに参加してきた中で、なんらかの方法で生徒たちに発想法やアイデアの生み出し方を体系だてて伝える方法がないかと思っていた矢先、VISITS代表・松本さん著書『破壊的イノベーションの起こし方』に出会いました。

「5W1H」のフレームワークなど、具体的な発想法が分かりやすく、授業に取り入れるイメージが湧きました。自身の前職での経験からデザイン思考の重要性も感じていましたので、これを授業に取り入れたいと興味を持ちました。

−御校の3つの授業について、1つずつ実施内容と結果をお教えいただけますか。

まずは2021年度の三学期に高校2年の情報科の授業で、『破壊的イノベーションの起こし方』を引用した授業を行いました。授業全体としては発想力と探究力の両テーマを取り上げて、ユーザーの本源的欲求に着目してニーズを考えるという松本さんの発想法を実践しました。

当時はコロナ禍によりオンラインでの実施でしたので、Jamboardを使ってニーズを書き出してもらいました。発想力は特別な人だけが備えているものという無意識の思い込みから、誰もが創造力を発揮できることを経験してもらう良い機会になりました。

匿名機能が心理的安全性を担保し、自由なアイデア創出を実現

−2つ目の授業はいかがでしょうか?

2022年度の1学期に高校3年生「情報社会学」の授業においてVISITS formsを使って「創造性を培うには」をテーマに授業を行いました。VISITS formsの前半セッションで「創造性はどのようなことを意識し行動すると培われると思いますか」という問いに回答、後半セッションで他の生徒の意見に対して匿名で評価をつけてもらいました。

評価軸は「この回答内容を実践することで創造性は培われると思いますか」「この回答内容には新しい視点があると思いますか」の2点としました。意見提出と相互匿名評価を授業の前半で実施した上で、VISITS formsで算出された各意見のスコアも踏まえて松本さんと私でフィードバックを行いました。

VISITS社の特許技術「コンセンサス・インテリジェンス技術」により共感度や新規性の高い意見が可視化されたことで、生徒たちも納得感をもって他者の意見を受け取ることができましたし、創造性という曖昧なものに対して様々な意見に触れる良い機会になったと感じます。

また、すべて匿名で評価が実施されることや時間的な制約のある授業中に、すぐにスコアが出てくる点は、教育現場で使う上では必須の機能でありとても便利でした。

−3つ目の授業はいかがでしょうか?

同じく2022年度1学期にVISITS formsを使った授業を受けた生徒に、デザイン思考テストを受けてもらいました。興味深かったのは、創造力スコアと比べて評価力スコアが非常に高く、将来のイノベーションの種になるようなニーズやソリューションに対して生徒たちが高い感度を備えていることが分かったことです。

今回は選択式の3年生情報科の授業でしたが、今後はより多くの生徒に受けてもらいたいと思っています。

テクノロジーを活用して思考力を伸ばす最先端の教育を

−最後にこれから実現したい未来についてお教えください。

私の根本にある生徒たちへの想いは「自ら考え、表現し、行動できる人になってもらいたい」ということです。情報科の授業では、単なる知識やパソコンの使い方などを学ぶだけでなく、テクノロジーを使って課題を発見し、新しいことを創造する楽しさを学んでもらいたい。

これまでの時代は正解を導き出すことや的確さが求められてきましたが、これからは自ら課題に気づき、それを解決するための発想力や思考法を身につけることがより重要になります。生徒たちがそうした力を学び、社会に出たときに活躍できる人になれるよう、今後も試行錯誤していきたいと思います。

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