VUCA時代を生きる内定者へー新しい概念のインプットにも効果を実感「デザイン思考ワークショップ」の実用性、そして新たな可能性とは

–「デザイン思考ワークショップ」の導入背景を教えていただけますか。

2022年度に入社予定の内定者に対して導入しました。内定者向けイベントはコロナ禍に突入した1年目同様、2年目も大きな影響を受けました。例年実施していた対面形式の懇親会が不可能となったことでオンラインに切り替え、コロナ禍1年目は内定者同士の繋がりを作るべくレクリエーションの要素を多く取り入れました。

一方で弊社内定者の特性として学びへの意識が高い部分もあったため、2年目の今年は「新しい知識の獲得とレクリエーション要素が混ざったコンテンツ」の実施にチャレンジしようと決めました。そんな中で出会った「デザイン思考ワークショップ」は、頭脳をフル回転させることはもちろん、自然に周りの人との繋がりができるという印象にあったため、導入に踏み切りました。

–ワークショップはどのような形で実施しましたか。

内定者に対し参加を募り、36名の立候補がありました。内定者向けイベントの中で最長の3時間という開催時間や、より主体性が求められる内容から参加ハードルが高いことを懸念していましたが、多くの立候補があった印象です。

内定者6名で1つのグループを組み、また各グループに1名の社員がメンターとして入りました。この社員は、社内兼業制度を活用して採用チームに在籍している社員です。社員からもトライアル実施の際に「普段の業務とは異なる新しい考え方や価値観が学びになった」との声が上がっていました。

–実施した結果はいかがでしたか？

参加者に4段階の満足度評価を設けたアンケートをとったところ、全員がトップ評価を選択し、他のイベントと比べて最も高評価の結果となりました。参加者からは「この3時間はあっという間で濃密だった」という感想が多くありました。

選考とは異なり「評価をされない」ことも、精神的負担がなく自然体で取り組むことに繋がり、「間違っても良いから挑戦しよう」というポジティブなマインドで楽しめたのだと思います。採用担当としても、楽しみながらも真剣に取り組む内定者たちの姿に、非常に頼もしさを感じることができました。

–全体を通しての感想を教えてください。

オンラインでも対面同様に不自由なく全国の内定者に対して実施できる、という手段を確立できたことが大きいです。

「銀行＝堅い」というイメージから脱却すべく、内定者イベントに遊びの要素を取り入れてきましたが、さらにプラスアルファの要素として「新しいことを学びたい、しっかり頭を使って創造性を身につけたい」というニーズがある内定者同士の横の繋がりを作ることができて良かったです。

–今後どのような形の実施を検討していますか。

VUCA時代を生きる学生たちに対して、新しい概念のインプットができたことに高い価値を感じています。企業としても「非金融を含めた金融を巡る新たな価値の創造」を基本戦略の一つにおいており、イノベーションやクリエイティビティは入社後も求められる発想である、ということを内定者に伝えることができたのは大きな成果です。

ぜひ若手のうちからこの学びを社内で伝播してくれることを期待しています。参加者の反応がとても良かったことからも、次回はプログラムの時間を延長することを検討中です。今後も希望者に対して実施を続けながら効果を検証していきたいと思います。